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声で気がつく冬鳥「アオジ」
日本野鳥の会東京支部長
西村眞一
『アオジ』は、体長16cmほどの小鳥です。夏季には標高1,000mほどの林などで繁殖し、高尾山には冬鳥として10月から3月にかけて渡って来ます。

写真/西村眞一
名前の『アオジ』から青い鳥と思われますが、青くはありません。オスの頭部は夏の期間は灰色で目先が黒く、冬になると色が淡くなります。背中は茶色で、胸から腹は黄色く黒い縦班があります。
繁殖期には「チョピンチョピーチィー」と鳴きますが、冬の季節は「チッ」「チッ」「チッ」と一声ずつ区切って鳴きます。
1号路を歩いているとよくアオジの声を聞きます。ただ藪の中にいることが多いのでなかなか姿は見えません。同じホオジロ科のホオジロは、「チッ、チッ」と二声ずつ続けて鳴くので、識別するのには、よく声を聞くことです。
青色の冬鳥「ルリビタキ」
日本野鳥の会東京支部長
西村眞一
『ルリビタキ』は、体長14cmほどの美しくかわいい小鳥です。夏季には標高の高い山地で繁殖していますが、高尾山には11月から3月にかけて渡って来る冬鳥です。

写真/西村眞一
オスの上面は青く脇はオレンジ色をしています。メスは淡い褐色で脇はオレンジ色で尾羽が青色をしています。
繁殖期には「ピチュルルリリリー」と鳴きますが、冬の季節は「ヒッヒッヒッ」と鳴きます。1号路を歩いているとルリビタキの声を聞きますが、同じように冬鳥のジョウビタキも「ヒッヒッヒッ」と鳴くので、声だけでルリビタキと判断するのは難しいです。夏のオオルリ、冬のルリビタキは、共に高尾山を彩る青い鳥です。
木の実を貯蔵する鳥「ヤマガラ」
日本野鳥の会東京支部長
西村眞一
『ヤマガラ』は、高尾山には一年中いる、体長14cmほどの小鳥です。繁殖期には、オスは「ツツピー、ツツピー」と、ゆっくりとしたテンポで鳴きます。
写真/西村眞一
秋から冬にかけての地鳴きは、「ニィーニィー」と鼻にかかったような声で鳴きます。大きさはシジュウカラと同じくらいですが、頭と喉は黒く、背中と腹は赤褐色です。
ヤマガラは、秋になるとエゴノキの実などを足で押さえ短く太いくちばしで食べます。また、その実を食べずに冬の餌不足に備えて、樹の隙間や地面などに貯蔵する習性があります。同様に木の実を貯蔵する習性は、カケスにもあります。
冬になると、他のシジュウカラ類の仲間などと一緒に団体行動することを、『カラの混群』と呼んでいます。
集団で渡りをする褐色のタカ「サシバ」
日本野鳥の会東京支部長
西村眞一
『サシバ』は、高尾山に4月下旬ごろに渡ってくる夏鳥で、体長約50cmの褐色のタカです。上面は褐色で喉に黒い縦線があり、下面には胸から腹にかけて横斑(おうはん)があります。

写真/西村眞一
高尾山には、サシバの他トビ、オオタカ、ノスリなどのタカ類が1年中生息しています。食物連鎖の頂点にいるタカが複数種類生息しているのは、自然が豊かな証拠です。
1号路の金比羅台や霞台、山頂などの遠くが見渡せる場所で天気のよい日に空を見上げていると、タカ類を見ることができます。特に9月から10月にかけては、南に渡るサシバの群れを見ることがあります。
黄色が目立ち、姿も声もきれいな鳥「キビタキ」
日本野鳥の会東京支部長
西村眞一
『キビタキ』は、高尾山に4月下旬頃に渡ってくる夏鳥で、体長13.5cmほどの小鳥。オスの上面は黒く下面は黄色、喉の部分はオレンジ色をしています。

写真/西村眞一
メスは全体に地味な褐色です。オスは4月から6月にかけての繁殖期に「ピーチュルル、ピーチュルル、ピッープルル」と笛のような声で鳴きます。オスは姿も声もきれいな鳥です。
1号路を登り始めて30分ほどの金比羅台から、ケーブル高尾山駅の間でよく声を聞きます。声のほうを丹念に探すと、黄色い姿が木々の間から見ることができます。また、3号路や4号路でも声を聞くことがあります。7月、8月にもキビタキは生息していますが、もうオスはさえずらないので、姿を見つけるのは難しいかもしれません。9月になるともう高尾山にはいません。その代わりに都心の公園などで、渡り途中のキビタキの姿を見ることがあります。
高尾山のある八王子市の花と鳥「ヤマユリ」と「オオルリ」

ヤマユリ
風に揺れるユレが語源とも言われています。そんなユリの中で大輪で強い芳香のある花を夏に咲かせるのがヤマユリ。高尾の夏の人気者で、高尾山のある八王子市の花でもあります。かつては高尾山でよく見られましたが、イノシシなどの食害に合い、最近はずいぶん少なくなってしまいました。
また、八王子市の市の鳥は姿も声も美しいオオルリ。オオルリのオスは目の覚めるようなルリ色をしています。渓流のそばが好きで、高い梢にとまって、「ピー、リーリー、ホイピーピピ…」と水の流れに負けないよく通る声でさえずります。日本へは夏鳥としてやってきます。その美しい姿を見ることができたら、あなたもこの鳥がきっと大好きになるはずです。
高尾〜箕面、二つの“明治の森”を結ぶ「東海自然歩道」

東海自然歩道起点
東海自然歩道の全長は、1,697km。人々が自分の足で歩いて緑豊かな自然と貴重な歴史を伝える文化財に触れ親しんで欲しいとの願いを込めて作られた長距離自然歩道です。
昭和42年、国は明治100年を記念して、東京都の高尾山周辺を「明治の森高尾国定公園」に大阪府の箕面山周辺を「明治の森箕面国定公園」に指定しました。続いて昭和45年、この2つの“明治の森”を歩道で結ぼうという構想が持ち上がり、誕生したのが「東海自然歩道」です。
この「東海自然歩道」には、気軽に楽しめる日帰りコースを中心に22のコースが選ばれています。京王線の高尾山口駅から1号路を通り高尾山頂から小仏城山さらに相模湖方面へ下り、相模ダムへ至るコースもそのひとつに選ばれています。
「東海自然歩道コースガイド」は、300円で販売しています。
詳しくは八王子市観光協会 TEL.0426-43-3115
高尾山は国定公園です「明治の森高尾国定公園」

高尾山と陣馬(場)山一帯は1950年(昭和25年)、都立高尾陣場自然公園に指定されました。そして、1967年(昭和42年)12月、明治100年を記念して、大阪府の箕面(みのお)国定公園とともに、その一部が明治の森高尾国定公園に指定されました。1973年(昭和48年)発行の記念切手
ところで、国立公園・国定公園は自然公園法という法律の定めによって指定されています。国立公園・国定公園は、日本のすぐれた自然の風景地を保護するとともに、その利用の増進を図り、国民の保健・休養・教化に資することを目的としています。国定公園とは、国立公園に準ずるすぐれた自然の景勝地で、関係都道府県の申し出により、中央環境審議会の意見を聴き、環境大臣が指定します。
そして都道府県が管理します(国立公園は国)。
高尾で最初に発見された植物

タカオスミレ
高尾山は、スミレの宝庫。約20種類ものスミレに会えるといいます。なかでも、タカオスミレは、高尾山で最初に発見され、高尾の名がついた春の高尾山の人気者です。
タカオスミレは、やや湿った日陰に生えるヒカゲスミレの一品種で、若葉の表面がこげ茶色をしたものをいいます。タカオスミレの学名は、discolor で、“裏に色のある”という意味。しかし、高尾山で見られるものは裏面ではなく、葉の表面が赤褐色になるものがほとんどです。最近ではこの裏に色があるというのは事実の誤認から生まれたものとされ、この葉の表面が色づくものをタカオスミレと呼んでいます。

タカオヒゴダイ
高尾山で初めて発見されたとこから名前がつけられたキク科の植物。茎は高さ35〜60cm程で9月下旬〜10月下旬頃、茎の先端に直径約2cmのアザミを小さくしたようなピンク色の花をつけます。下の方の葉に深い切れ込みがあり、バイオリンのような形をしているのが特徴です。高尾山では4号路や景信山などで見ることができます。

レモンエゴマ
レモンエゴマを漢字で書くと、檸檬荏胡麻。ゴマの名がついていますが、シソ科の植物で、エゴマに姿が似ていますが、レモンのような香りがすることから名付けられました。8〜10月枝先の花穂に淡紅色の花を多数つけます。
また、レモンエゴマは1913年に、日本の近代植物学に偉大な功績を残した牧野富太郎博士によって高尾山で初めて見つけられました。高尾山周辺では、日影沢、蛇滝付近でよく見られます。
ところでエゴマもシソ科の植物で、エゴマ油をとるために栽培され、人里近くによく野生化し、高尾山でも見ることができます。

